Webサイトを制作したら競合サイトや同ジャンルのサイトと比較することで、自分のサイトの弱点を発見できます。さらに、改善を行うことでSEO対策や売上アップといった目標にも繋がっていきます。
しかし、現場では下記のような悩みをかかえていませんか?
- 競合サイトを分析したいけど方法が分からない
- 効率よくツールを使って競合他社を比較したい
- 現場で使える良質なツールを知りたい
競合サイトや同ジャンルのサイトを比較するには、Webツールを活用することが最も効率的です。有料・無料問わず、さまざまな機能が搭載した種類があります。
この記事では、競合サイトを分析できるツールをまとめています。高機能で詳細なデータを分析できる有料ツールから、無料でも現場で活用できるおすすめの種類を10個紹介しています。
Webアナリストはもちろんですが、個人運営を行っているブログ初心者の方、他にもWebサイトの種類に関係なくホームページやオウンドメディア、ECサイト、LP(ランディングページ)といった幅広いWebサイトでも活用できて役に立つツールばかりです。是非参考にしてみて下さい。
競合サイト分析ツールで何が分かる?
ひとことで「競合サイト分析ツール」といっても他種多様です。有料・無料といった料金が異なるもの、搭載されている機能が異なるもの、さらに分析できるデータもツールごとに大きく異なります。
また、抽出したデータによっても競合サイトを分析後に行う活用方法や改善策が大きく変わってきます。
- 有料ツールと無料ツールの違い
- データの指標について
- 競合サイトを分析した後に行うこと
有料ツールと無料ツールの違い
競合サイト分析ツールには、無料ツールと有料ツールに分類されます。
- 無料ツール(すべての機能もしくは一部の機能のみ利用可能)
- 有料ツール(すべての機能もしくは料金ごとに機能が異なる)
無料ツールのメリットは、なんといっても料金面です。有料ツールと性能があまり変わらないものや、無料でも多少制限はあるものの有料ど同等の機能が使えるものもあります。(例:1日5回までなら有料と同じ機能が使えるなど)
有料ツールは無料ツールと比較すると機能面が充実しており、詳細なデータを抽出できるメリットがあります。無料ツールでは判明できなかった原因を特定できるため、効率よく競合サイトの分析ができます。
機能に関しては、各ツールごとに異なります。さらに、料金体系によってプランを選択できます。
データの指標はここが注目ポイント!
競合サイト分析ツールを活用すると、さまざまなデータを抽出できます。各指標は競合サイトを分析するうえで重要なポイントです。
- アクセス数(PV数)
- ユニークユーザー数(UU数)
- 属性
- 被リンク情報(数や獲得先)
- 直帰率
- 流入経路(デバイス情報)
- SEO上位表示ページ
- 検索順位
- 流入キーワード
- 流入コンテンツ
- トラフィック先
まずは競合サイト全体を確認してみて下さい。指標としては全体のアクセス数(PV数)やユニークユーザー数(UU数)、属性、被リンク情報、直帰率、流入経路(デバイス情報)を確認することで、競合サイトの強みと弱みがおおまかに見えてきます。
全体のアクセス数(PV数)やユニークユーザー数(UU数)が多ければ、流入経路(デバイス情報)を確認します。
GoogleやYahooといった検索エンジンからのキーワード流入(自然検索)なのか?直接流入(URLの入力)なのか?それともFacebookやTwitterといったSNS流入なのか?いづれかの流入先が分かれば、自分のサイトにも対策できます。
次にSEO上位表示ページ(上位10ページ分)も確認してみて下さい。競合サイトの人気記事が判明します。SEO上位ページは、検索順位だけでなく流入キーワード流入コンテンツ、トラフィック先も確認してみて下さい。
流入キーワードや流入コンテンツが判明すれば、それは「お宝キーワード(コンテンツ)」です。自分のサイトでもコンテンツを作成することで、SEO上位に化ける可能性があります。(アクセス数も増やせます)
競合サイトを分析した後に行うこと
「競合サイト分析ツールを使ったらそれで終わり」ではありません。競合サイトと比較することで「自分のWebサイトの弱点(課題)」を見つけれます。そして分析したデータを活用することで、さまざまな改善を行うことができます。
例えば、全体もしくは一部のコンテンツの改善(リライトや記事更新)は有効な手段です。コンテンツを修正したことで検索エンジンに再評価されて、アクセス数アップに繋がる可能性もあります。
他に流入経路を増やすためにSNSやリスティング広告の導入といった方法も有効です。アクセス数の増加はもちろんですが、商品やサービスのコンバージョン率(CV率)にも繋がっていきます。
また競合サイト分析は1回で終わるのではなく、定期的に実施する必要があります。他にも自社Webサイトをツールで分析することで、さらに大きな結果を生むことができます。
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ここでは、無料の競合サイト分析ツールを7種類紹介しています。
- SEOチェキ
- Ubersuggest
- Gyro-n SEO
- Page Speed Insights
- Built With
- MOZ
- Wayback Machine
SEOチェキ
SEOチェキはユーザー情報や検索順位のチェックなど、簡易的にWebサイトを分析できるツールです。色々な競合サイト分析ツールのなかでも、初心者向けのツールとして知られています。
検索欄に競合サイトのURLに入力するだけで、簡単にデータを抽出できます。シンプルな表示ですが、1ページにすべての情報が網羅されているため、初心者でもデータ分析で迷うこともありません。
競合サイトのtitleやdescription、発リンク(外部リンク、内部リンク)、サーバーやドメイン情報などが一発で判明します。他にも検索欄にキーワードを入力することで検索順位も判明します。
Ubersuggest
Ubersuggestは、キーワード選定や競合分析、Webサイトの最適化といった競合分析ができるツールになります。
検索欄にURLもしくはキーワードを入力するだけで、検索順位やトラフィック流入、被リンク、SEOキーワードといった情報が判明します。
特にSEOキーワードは、競合サイトの情報(ボリューム、ポジション、流入見込み)が丸見えになり、上位のキーワードを一覧で確認できます。自分のWebサイトと比較して、コンテンツの改善に大きく役に立ちます。
Ubersuggestは無料と有料を選択できます。無料の場合、一部の機能やデータに制限がかかります。
Gyro-n SEO
Gyro-n SEOは、検索エンジン(Google、Yahoo!、Bing)の順位変動を確認できるツールになります。
自分のWebサイトと競合サイトを登録しておくことで、毎日の検索順位の変動が分かり比較できます。キーワードごとに順位変動も分かるため、勝っているキーワードと負けているキーワードをグルーピングできます。
もし負けているキーワードがあれば、コンテンツを比較し分析もできます。すべてのキーワードを探す必要もないから手間も省けます。
またアラートメールという機能があります。事前に設定しておくことでレポートを受け取れるため、ユーザーにやさしい機能といえます。
キーワードの順位変動以外にもインデックスの推移やコンテンツ分析、他に内部対策調査といった機能もあり、競合サイト分析に役立ちます。
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Page Speed Insights
Page Speed Insightsは、Webサイトの表示速度を分析できる無料測定ツールです。自分のWebサイト以外にも競合サイトの表示速度を確認できるため、高速化対策に役立ちます。
使い方は、検索欄に競合サイトのURLを入力するだけで表示速度を簡単に判定されます。表示速度のパフォーマンスがスコアとして表示されるだけでなく、携帯電話とデスクトップ別に表示されるためデバイス別の対策も可能です。
他に改善項目も表示されます。「画像の最適化」「HTML/CSS/JavaScriptのサイズ圧縮」「ブラウザのキャッシュ」などの項目が表示されるため、自分のWebサイトの改善ポイントも一発で判明します。
Built With
Built Withは、競合サイトが使用しているシステム構成やWordPressにインストールしているプラグインの種類を分析できるツールです。
システム構成ではCMSの種類だけでなく使用しているサーバーやアクセス解析の種類などが分かり、競合サイトの内部構成が判明します。
また、WordPressで使用しているプラグインを知ることで自分のWebサイトにインストールしていない種類が判明します。特に高速化対策プラグインが判明すれば、同じプラグインをインストールすることで、Webサイトの表示速度を改善できる可能性があります。
Built Withでは無料プラン以外にも有料プランがあります。有料プランでは、上記機能以外に競合サイトと見込みユーザーの特定機能が用意されています。新たな市場や顧客を判明できるためマーケティングに生かせます。
MOZ
MOZはキーワード分析や被リンク分析といった競合サイトのドメインパワーを分析できるツールです。海外での認知度が高く、日本でもSEO業界を中心に広く知られています。
MOZではGoogleのPageRankに模倣した「Domain Authority」を算出します。MOZ独自のデータを活用してスコアが表示されますが、ドメインパワーを判断するには有効です。
例えば、キーワード分析において難易度を数値化してくれます。設定したキーワードのスコアから検索ボリュームなどが判明するため、競合サイトの強さが判明します。
また被リンク分析を行えば、被リンク元はもちろん被リンクのアンカーテキストなどが一覧で表示されます。競合サイトの外部SEO情報だけでなく過去に中古ドメインで運営していたかも判明します。
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Wayback Machine
Wayback Machineは、競合サイトの過去のデザインを分析できるツールです。デザインはもちろんですが、運営者が異なる(ジャンルやコンテンツなど)場合、中古ドメインで運営していたのかも判明します。
使い方はシンプルで簡単です。検索欄に競合サイトのURLを入力するだけで、過去の運用履歴が期間ごとに表示されます。デザインの変移性やその時代のトレンドを知ることで、数字では表せない視覚的なユーザーの需要を理解できます。
特に自分のWebサイトのデザインをリニューアルする場合には、マーケティングツールとしてとても役に立ちます。
【有料】競合サイト分析ツール3選
ここでは、有料の競合サイト分析ツールを3種類紹介しています。
- Ahrefs(エイチレフス)
- Similar Web
- GRC
Ahrefs(エイチレフス)
Ahrefs(エイチレフス)は、キーワード分析、コンテンツ分析、被リンク分析ができる有料の総合SEOチェックツールです。SEO会社やコンサルティング会社もはじめ個人(アフィリエイトやアドセンス、ブロガーなど)でも多くの方が活用しており知名度も高いです。
最大の特徴は、競合サイトの内部情報が詳細に判明してしまうことです。検索上位ページはもちろんですがキーワードやアクセス数、トラフィックなどの情報が筒抜けになります。
無料ツールよりも詳細なデータを抽出できるため、Ahrefs(エイチレフス)を利用した人しか分からない情報も判明します。
また、被リンク分析では属性(dofollow、nofollow)やスコア(UR、DR)といった指標を参考に、中古ドメイン選定の応用もできます。
SimilarWeb
SimilarWebは、SimilarWeb社が提供するWebサイト分析ツールです。初心者でも使いやすく主にキーワード分析やコンテンツ分析などができます。
無料プランでも一部の機能は利用できますが、簡易的であり機能制限があります。詳細なデータを抽出して分析にするには有料プランが必要になります。
検索欄にURLを入力するだけで、競合サイトのデータを抽出できます。アクセス数や流入キーワード、トラフィックといった基本的なWeb情報だけでなく、グローバルランクや国ランク、他に競合サイトの表示といった独自の機能もあります。
有料ツールのなかでも比較的手が出しやすいため、登竜門としてはおすすめです。
GRC
GRCは登録したWebサイトの検索順位をチェックできるツールです。自分のWebサイトはもちろん競合Webサイトを登録することで、検索順位の変動を把握できます。
Google、Yahoo!、Bingといった3つの検索エンジンに対応しており、毎日の検索順位が数値化されます。他にもグラフで一覧で表示されるため、順位変動はもちろん過去の履歴も比較できます。
取得したデータは、CSVなどでダウンロード(エクスポート)することもできます。ダウンロードしたデータは資料作成として活用し、現場で共有することでWebサイトの改善(特に弱いキーワードのコンテンツ対策)ができます。
GRCはWindowsのみ対応です。Macで利用する場合は、BootCampやリモートデスクトップサービスなどを利用する必要があります。
【比較】この記事で紹介した競合分析ツール
ここまで現場で使える競合分析ツールを紹介してきました。10種類を簡単に比較すると、以下のようになります。
- SEOチェキ(初心者にもやさしい簡易分析向けのツール)
- Ubersuggest(無料プランでも有料機能がつかえるツール)
- Gyro-n SEO(無料で順位変動の比較が分かる)
- Page Speed Insights(競合サイトの表示速度がわかる)
- Built With(競合サイトのシステム構成やプラグインがわかる)
- MOZ(ドメインパワーを分析できる)
- Wayback Machine(過去のデザインを分析できる)
- Ahrefs(有料の総合SEOチェックツールで評価が高い)
- Similar Web(有料だが初心者でも使いやすい)
- GRC(検索順位の変動が分かる)
まとめ
競合サイト分析ツールを活用することで、ライバル(同業他社や同ジャンルのWebサイトなど)の内部情報のデータを抽出できます。
抽出できるデータは、ツールの種類だけでなく機能面の違いでも異なります。それに有料ツールと無料ツールがあるため、何を指標として自分のWebサイトと競合サイトを比較するかが最も重要です。
指標にはアクセス数(PV数)やユニークユーザー数(UU数)、属性といったユーザーに直結するWebサイト全体に関連するものや、流入キーワードや流入コンテンツ、トラフィック先といった1ページごとに関連するものあります。
他にもシステム構成や表示速度、デザインといったユーザーと直接関連しない指標もあります。
分析したデータを自分のWebサイトに活用することで改善され、目的の達成(例:売上アップなど)やSEO対策にも繋がっていきます。色々なWebサイト分析ツールを試して、現場に活用してみて下さい。